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■メーカー:ハドソン ■メディア:FC ■ジャンル:アクション ■発売年 :1987年 |
タイトルから伺える通り、同社の大大人気作『ボンバーマン』の発展形を狙った一作である。原点の方は後々まで シリーズの続く国民的作品とまでなったが、名に「キング」を冠した本作はいかなものであったか? |
トップビュー(見下ろし視点)のフィール
ドで、マイキャラを上下左右に操作。Aボタ ンは銃による通常ショット、そしてBボタン で肝心要の爆弾をセット。他、セレクトでサ ブ画面が展開し、ストックしたアイテムを選 |
択。通常画面に戻ってからAボタンで使用… という感じ。 シンプルイズベストだった原点との差別化 を何とか図ろうという意図がひしひし伝わっ てくるよな〜。二番煎じの宿命と言うか…。 |
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で、発売より20年近くを経ての初プレイの感想だけれど、ひと言で言って「辛気臭っ!」
このゲーム、あの『ボンバーマン』の血を引いていながら、その最大の魅力であった「爽快 感」がカケラも無いのである。 |
まず第一に、『ボンバーマ ン』のステータスシンボルと も言える「爆弾」。この『ボ ンバーキング』においても、 「敵を倒す」「障害物を破壊 する」という2点はキッチリ 踏襲されているが、はっきり 言って攻撃の手段としては全 くアテにならない。 このゲームでは爆弾自体の パワーアップが無いので、い つまで経っても爆風の範囲は 縦横のひとマス分及び斜め半 |
マス分のまま! それで必然 的に障害物を壊すのみの手段 となってしまうのだが、所詮 爆風の範囲の小ささ。ちょっ とずつしか壊し進めて行けな いときたもんだ。もうこの時 点で『ボンバーマン』の血筋 を名乗るのはおこがましいっ て気がするぞ。原点は、爆弾 の大量設置とロング爆風で、 敵もブロックも見境無く破壊 し尽すのが快感の極みだった ってのに…。 |
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その肝心要の爆弾だけれど、何 と本作においては「ストック数」 というものが存在する。つまり、 爆弾は無限ではないということ。 だから、ドカドカ設置しまくって 景気よく爆破…なんて余裕は一切 無いってことなんである。 壊した障害物や倒した敵から出 るアイテムで爆弾の補給はできる けれど、障害物の破壊のためだけ に敵を倒して爆弾を補充…なんて いうプレイは、最早「作業」でし かなくて辛い…。 |
しかも先の面だと、画面中を埋め尽 くす障害物をトコトン壊さなきゃ進め ない所もある。普通のブロックを9回 爆破しないと出てこない通路なんての も…。こういうステージをプレイして いると、ゲーム自体の目的が何なのか 見失いそうになるぞ。盲目的に爆破し て、爆弾補充して、爆破して…。これ で「遊んでいる」って言える!? 「穴を掘らせて、また埋めさせる」と いう作業を繰り返させて発狂に追い込 む刑なんてのがあるらしいけれど、そ れに近いものがあるよなあ…。 |
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他にも、「爆弾は同座標でなく目の前にセ ットされるので、自ら退路を塞いでしまって 自滅」「爆弾が設置後1秒くらいで爆発する ので、離脱に急ぐあまりトチって自滅」「酸 素ボンベという形で制限時間(兼体力)が存 |
在するので、『障害物爆破⇔爆弾補給』を繰 り返している内に自滅」…なんて事態があり まくり。このゲーム、死亡要因の95%くらい が「自滅」なんである。こいつ(主人公)に 任せて大丈夫なのか!? この惑星の未来…。 |
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爽快感ゼロな上、死に様にも納得いかず。 そんな有様だから、やっていてストレスが溜 まる溜まる! 気晴らしの筈のゲームでスト レス溜めちゃ本末転倒だろうに。開発スタッ フやデバッガーが、その制作過程で誰一人ブ チ切れなかったのかが甚だ疑問である。 『ボンバーマン』の血脈ってことで前評判は 高かったらしいけれど、出てからは話題にも 上らなかったのはこのせいなんだろうな〜。 流れを組んでいるんだったら、いい点をちゃ んと受け継いでゲーム作りをすりゃいいのに ハドソンったら…。 |
本作を『ボンバーマン』の 色メガネを取り払って見たと しても、この辛気臭さばっか りはどうにもならない。 アクションゲームってのは 一瞬一秒気を抜かずにプレイ に集中するジャンルだから、 マイキャラの動作や感覚がダ イレクトにプレイヤーに伝わ ってくる。それだけに、ゲー ム中の快感もウザさも露骨に 感じられてしまうのである。 |
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この『ボンバーキング』が ユーザーに与えてしまったの は、あろうことか「ウザさ」 であった。わざわざストレス を我慢してまでプレイを続け るユーザーもそういないだろ うし、故に本作はあっと言う 間に姿を消してしまったんだ ろうなあ。ほとんどのユーザ ーがプレイを投げ出してしま って、主題歌通り「緑の大地 は はるかな夢」に…(倒)。 |
まあ、そのおかげで開発陣も「アク ションゲームは爽快感を殺してはなら ない」ということが身に染みて解った であろうし、その反省が後の『ボンバ ーマン』シリーズに活かされたと勘繰 ることもできる。そう思うと、『ボン バーキング』は偉大な実験作と言える のではないか? 何しろ、その後連綿 と続く『ボンバーマン』シリーズのた めのヨゴレ役を買って出たのだから。 成功者の影には、裏方の者の苦労や犠 牲があるもんだよなあ。 |
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本家の歴史からは完全に抹消されている本作であるが、一応初期型ゲームボーイでリメイク版が出ている。 このコラムで挙げた問題点をかなり解消した佳作らしいので、機会があれば触れてみたいと思う。有名無実で あった『キング』の名が、多少でも輝きを帯びていると信じて…。 |
(C)HUDSON SOFT 1987
おまけ(まさに)
上の方でちょろっと「主題歌」とか書いたけれど、本作にはそういうものが存在する。
一面でもクリアすると、タイトル画面に「THEME SONG」という項目が出る。何と、ゲーム のテーマソングのカラオケである。Uコンのマイクで歌うものらしいけれど、何とも屈折したおまけだ よな〜。誰の発案だったのかは今も知れないけれど。 |
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歌詞は以下の通りで、一面のBGMに合わせて歌唱。歌ってみるとなかなかカッコイイテーマである。 スタッフが無駄に力と情熱を注いでいるのがひしひし伝わってくるなあ。 |
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ここでは静止画のみの紹介だけれど、実際に歌ってみたい人はとりあえずYou Tubeででも。 自分でゲームをプレイして歌うのが理想ではあるけれど。 |
当時ハドソンは「君の歌った主題歌を テープやビデオに録って送ってくれ」な どという企画をやったらしい。そればか りか、歌に合わせた振り付けまで募集し ていたというからアキレてしまう。そこ まで総力を挙げて送り出した『○超シリ ーズ』第1弾だったのに、結果は本文で の検証の通り大コケ。明らかに、力を注 ぐべき所を見失っているよな〜。 大体、ゲーム中であんなに木々をバカ スカ壊しまくっておいて「緑の大地は はるかな夢」なんて歌ってもねえ…。 |
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